頑張り続ける事に疲れた圭人くんのおはなし(つづき)
頑張り続ける事に疲れた圭人くんのおはなしの続き
前回のお話の続きになります。
架空の人物が出てきますので苦手な方はこの先読まないでください。
読んだ後の苦情等は受け付けておりませんのであらかじめご了承ください。
俺は踏み込んではいけないと思いつつも彼女にどういう事なのか話を聞いてみた。
彼女の話はとても辛くて悲しくて、
俺だったらもっと前に空を飛んでいたかもしれないと思うほどだった。
物心がつく頃から親からの罵声、暴力は当たり前。
先生方も助けてはくれず、
学校でもいつも1人だったらしい。
そんなある日彼女が小学4年生の頃両親は事故で亡くなった。
一人っ子だった彼女は親戚のところを転々としたが、どの家も彼女の面倒を見るのを嫌がり仕方なくという様に家に置いてくれていたらしい。
食事も最低限、会話もなく、親戚は口を開けば邪魔だ、あっちへいけ、早く出て行ってくれればいいのになどと言われたらしい。
親戚の間を転々とするので学校で友達もできず、虐待の傷跡などを見て気持ち悪いや、近付かないでくれなどと言われる日々。
そして今お世話になっている家の人には高校の授業料を払ってもらえず、
アルバイトを始め働いて払つつ一人暮らしをするために貯金をしていたらしいが、
ある日学校から帰ると通帳や溜めていたお金全てが持っていかれていた。
彼女は親戚の人に理由を尋ねると、面倒を見ているのだからそれぐらいのお金は必要だと言われたという。
よくよく調べて見るとお世話になっている親戚の人には多額な借金がありそれに使われたらしい。
働いても働いてもお金は持っていかれ、
一人暮らしをしようにも出来ず、
自分の身の回りの物を売ったりしてなんとか学校に通っていたらしいが、それも底をつき、高校には通えなくなり、高校はやめてしまった。
最低限のものを持ち生活していたある日多額の借金を返済することができなくなった親戚の人は彼女を置いて夜逃げした。
返済を求めに来た人たちからなんとか学生カバンに近くにあった制服を詰め込み逃げて、逃げて、逃げて、彼女はビルの屋上に来た。
そして
俺に出会った。
彼女はなんでもない事のようにペラペラとその内容を話し時折笑いながら可笑しそうに話をしていた。
俺はあまりにも凄い人生を送って来た彼女に何も言えなかった。
圭「今はどこに住んでるの」
俺と出会ったのは1週間前。
それから今日までどう生きて来たのか。
疑問に思った俺は質問した。
彼女は
「世の中って案外簡単なのよね。
優しいおじさんたちと一晩寝るだけで1ヶ月分の給料ぐらいのお金をくれるの。
これもおじさんたちが買ってくれたんだ」
と言いながら彼女は持っていた携帯を見せて来た。
高校生の年で、身体を売っている。
そんな事実がとても辛く、悲しかった。
continue…