圭人りんのクソモンペ

圭人りんの肘の裏に生息中

もし圭人が特殊能力を持っていたらシリーズ

もし圭人りんが特殊能力を持っていたらシリーズの、圭人りんが怪我を吸収してしまう設定の違うバージョンです。

 

ある静かな街に仲のいい家族がいました。
両親はまだみんなが小さい頃に亡くなって、9人だけで生きてきました。
その中である特殊な能力を持っている子が1人。
その子の名前は圭人。

 

甘えん坊なゆーりは怪我をするとすぐに泣いて圭人に治してと泣きつきます。
圭人は優しいのでいいよ、っていつもゆーりの怪我を治してしまいます。
そんなある日宏太お兄ちゃんはまたゆーりが圭人に治してと泣き付いているのを見て思いました。


このままだといつか圭人は人のために簡単に命を捨ててしまうかもしれないと。

そこで宏太お兄ちゃんは圭人に言いました。 


圭人、もう人のためにその力を使うのは辞めよう。

いつか、本当に必要になる日が来るから。その日まで使うのは辞めよう。と。

 

宏太お兄ちゃんの気持ちとしてはこれで約束して一生使わせないつもりでした。
圭人はちゃんと約束をして大きくなって行きました。


一番下も高校生になった、そんなある日。静かな街の9人家族に悲劇が起きます。

 

宏太お兄ちゃんが大事故に巻き込まれました。
もう望みはほとんどないと、お医者さんに言われました。


家族はみんな大黒柱である宏太お兄ちゃんがいない現実を受け入れられずみんな荒れ始めます。


そんなみんなを見て圭人は何か自分にできることはないかと考えました。
そしてそうだ、自分には力があるじゃないかと思い出し、そっと家を抜け出し宏太お兄ちゃんの元へ走り出しました。

 

圭人はそっと病室のドアを開け、ベットに横わる宏太お兄ちゃんを眺めました。
そして宏太お兄ちゃんの手を握り、話し始めました。

 

 

宏太お兄ちゃん。
お兄ちゃんはいつの日か俺と約束したよね。俺の力はいつか本当に必要になる日が来るって。その時まで力を使うのは辞めようって。
俺ね、その時は今じゃないかなって思うんだ。みんなお兄ちゃんが居なくて寂しがってるよ。みんな荒れ放題。ひかはご飯作ってくれないし。雄也と慧は女遊びが酷いし、大ちゃんは笑わなくなっちゃった。裕翔は部屋から出てこないし、涼介と侑李なんてほとんど家に帰ってこないよ。どこ行ってんだろう。
みんなみんな、宏太お兄ちゃんの帰りを待ってます。
こんなことを言うときっと宏太お兄ちゃんはやめろって言うんだろうな。でも俺、この1週間何が出来るか必死に考えたんだよ。
元々家族でもなんでもない俺を家族にしてくれて、そばに居てくれたみんなのために、いつか恩返しをしないといけないって。ずっと考えてた。
俺ね、本当は幸せになれるような人間じゃないのに、こんなに幸せになれたよ。全部全部宏太お兄ちゃんのおかげ。
今度は圭人が恩返しする番。
ありがとう、宏太お兄ちゃん。

 

 

そっと握った手に力を入れて圭人は宏太お兄ちゃんの隣に横になりました。


そのまま、眠ったように圭人は静かに永遠の眠りにつくのでした。

 

っていう実の親に虐待されて自分は幸せにはなれないんだと思い込んでいた圭人を家族として迎え、幸せをくれた家族のために命を捧げて恩返しする圭人の小説いかがですか、どなたか!どなたか!!!!(他力本願)